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元気ですが膝の痛みになやまされています。
渚を愛する会 故 福田正臣 からの手紙(元理事長)

渚診療所


福田正臣
患者と医者の語らいの医療
渚診療所

齢(ヨワイ) 八十を過ぎた私は、生まれ故郷の町の人達に、
私の、医者としての最後の奉仕にもなれば、と思って、
一昨年(平成14年)の八月に、
奄美大島の龍郷町に小さな診療所を作りました。

以来、二年、二ヶ月。毎月、現住地の鹿児島市から飛行機で奄美に行って、
一週刊だけ滞在して、町の人達(主にお年寄り)の診療をしています。
診療室の入口には、
私が筆で大きく書いた 『 医者と患者の語らいの診療 』 の
紙が貼ってあります。
これが私の、内科医としての診療理念であります。

診療用の機器といえば、ポータブルの小さな心電図の器械と血圧計だけ。
診療は専ら患者さんと私との語らいに大部分の時間を費やします。

患者さんに充分に話して貰い、
私はそれを聴き、答え、尋ねて、たっぷり話をするのです。
すなわち「問診」に充分時間をかけるのです。

充分な問診でその患者さんの「人間」の全貌を
概略知ることが出来ます。

次に診療に移りますが、
内科診療の基本である
視診、聴診、打診、触診を丹念におこなう。
すなわち、器械による診察よりも、
医者の体を使っての診察に重きを置く。

これで大部分の病気は診断がつくものです。
そこで、その患者さんの病気について、
図示しながら詳細に説明するのです。

次に治療ですが、内服の薬を置いてない私の診療所、
注射はしない私のやり方、そして
『 人間は毎日の生活の仕方如何で病気にもなり。
健康にもなるものがある 』という、
生活重視の考え方の私、は、その患者さんの発病の原因を、
その人の日常生活の中に探し求めて、
これを指摘して患者さんに説明し、
その生活の医学的間違いを改善する
具体的な生活のやり方を指導する、という、いわゆる
「医学的生活指導」を、
時間をかけてたっぷりおこなっています。

以上の、問診、診察、生活指導で、一人の患者さんに一時間、
時にはそれ以上を費やしています。

『 内科医の診療は、対話に始まり対話に終わる 』という
私のモットーを実施しているのであります。
尤も、以上の診察で病気の診断がつかず、
高度の精査が必要な時、
あるいは治療にどうしても注射が必要な時には、
設備の充分な病院に紹介してお願いする。

また、薬の服用が必要な患者さんには、院外処方箋を書いてあげて、
町の調剤薬局で薬を貰う、ということをおこなっています。

さて、毎月、一週間の私の滞在中に、
いつもの患者さん達が必ず再来して一ヶ月振りに診療を受け、
またもや医者と患者の語らいが沢山なされるのです。

時には話しが横にそれて
世間話、四方山話(よもやまばなし)になることもありますが、
それもその患者さんの『人』を知る貴重な語らい、
として私は喜んで聴くのであります。

数少ない患者さん達ですが、
その人達と医者の私との、素朴にして温かい語らいの声が
この診療所から、いつも聞こえて来ることを願ってやまないのであります。

木造のきわめて小さな診療所。
木の香りがすることと、
海辺の丘の上にあるので一日中潮騒が聞こえる、
というぐらいがとりえの診療所です
ダラダラ坂をおりるとすぐそこには、私の好きな渚です。
名づけて ☆ 渚診療所 ☆ 。
                           平成十六年十月八日   以上
内科医
福田正臣


ホームページ編集 理事 海江田嗣人 監修 副理事長 佐藤道郎
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